生命の樹 第5セフィラ ゲブラー(Geburah)【峻厳、力・火星】
神が世界を創造したプロセス、宇宙の創造原理を表すカバラ。
そのカバラは「受け取る」という学問だと言われています。
(カバラは動詞なので「カバラ」という学問ではありません)
上(宇宙)にあるものを下(物質世界)で受け取る。
言葉で言われてピンとこなくても図形を見ることによって、うまく説明できないけれど「分かる」こともあります。
生命の樹は視覚から魂を揺さぶります。
生まれた時に既に在るもの。細胞にインプットされているもの。
それらを思い出す手伝いをしてくれます。
「人間もまた小宇宙である」
上(宇宙)にあるものは、小宇宙である人間の細胞の中にも記憶として【在る】。
そう考え想いを巡らすことはロマンがあります。
難しく考えなくていい。
ただただ頭上の星々の動きを楽しめばいい。
それだけで身体の中の宇宙が充電されるのだから。
「星々はずっとあなたを見守っている」
ただ受け取ればいいことを想い出すように。
生命の樹 左中央部にあるセフィラ「ゲブラー」
生命の樹のゲブラーには「峻厳」「力」という言葉が割り当てられています。
非常に厳しいことを、そしてそのさまを指す峻厳。
優しいだけでは成り立たないことが多々あります。
時には厳しく、また時には毅然と立ち向かう強さが必要とされます。
本当の優しさにも、真の愛にも、厳しさは含まれています。
甘ったるい言葉や、上辺だけ取り繕ったものには、尊敬も信頼も得られないのです。
第5セフィラ「ゲブラー」の天使 大天使カマエル
ゲブラーには「大天使カマエル」が割り当てられています。
「神を見るもの」「神を探し求めるもの」と意味付けされている大天使カマエル。
神の力の象徴であり、神に敵対するものと戦う大天使。その勇ましい姿は「戦の神」とも評されています。
攻撃的とも言われますが、その攻撃性は私利私欲のためではありません。
正義のため、誰かを守るために果敢に戦っているのです。
ゲッセマネの丘で苦悶していたイエスを励まし慰めた天使という逸話もあります。
怖く厳しそうに見えるかもしれませんが実はとても優しい大天使カマエル。
本質的なものは表面だけでは分かりません。
見た目に惑わされないように。上辺の言葉に騙されないように。
行動やその立ち居振る舞いが、真の姿だということを忘れないように。
第5セフィラ「ゲブラー」と生命の樹カウンセリング
生命の樹カウンセリングを行う時の第5セフィラ「ゲブラー」は
- 創造
- 子供(子供時代)
- 人生のメインテーマ
- この人生でのチャレンジ
など、子供時代のエネルギーやトラウマから、乗り越えるべき課題をあらわします。
その課題にチャレンジしてクリアすることで自分の本質や才能があらわれるのです。
第5セフィラ「ゲブラー」と願望実現の生命の樹ワーク
願望実現の生命の樹ワークを行う時は[マイナスの要因、デメリット]を書き記します。
障害や制限。怖れや不安。心配なこと。これらを書く事によって気持ちが整理され、自分を冷静に見つめ応援することができるのです。
★参考文献
生命の樹×占星術 のゲブラーとは
ゲブラーは惑星では「火星」を割り当てられています。
占星術における「火星」とは
火のように赤い天体「火星」
「戦い」を司る星とされています
シンボルマークが♂であるように「火星」は男性的エネルギー・男性性の象徴でもあります。
[金星]とペアで考えられることが多く、[金星]が《受身》の性質を表し、[火星]が《攻め》の性質を表すとされます
火星とゲブラー
火星とは、
- 闘争心
- チャレンジ精神
- 怒った時の攻撃性
- やる気、パワー
- 決断力
- 男性→理想の男性
- 女性→好みの男性
- 自己アピール力
原始の力、始めの力、行動力をあらわします。
金星は「どう愛されたいのか」をあらわしますが、火星は「どう愛したいのか」をあらわします。
どういうアプローチなのか?ということです。
周囲に流されるのではなく、自分の意思で選択し決定する。
そこには強い想いと自分自身への信頼。そして覚悟が求められています。
占星術(火星)でも、生命の樹(ゲブラー)でも、力や隠れた本質が意味付けされています。
そこには行動力で道を切り開く、たくましさが感じられます。
しかし、
セフィラは1つで成り立っているわけではありません。
1つだけの意味では片手落ち。10個あるからこそ成り立つもの。
火星×ゲブラーだけで怒りやパワーを語るわけにはいきません。
全てが絡み合い繋がり合うからこそ、そこに個性が生まれます。
全ての人に課題はあります。
それに挑戦するのか?しないのか
決められるのは本人だけなのです。
生命の樹×数秘術 のゲブラーとは
セフィロトの樹で「5」は「ゲブラ」すなわち、忍耐力、正義、力、としてあらわしています。行動的でパワーのある数です。
「5」は自分の意思をしっかりと持ち、前向きに突き進んでいくパワーを物語っています。
占星術では火星と水星が「5」の数とされています。
火星はエネルギーや力や勇気を、水星は論理や推進力を意味します。
浅野八郎著『「カバラ」占いの書』より抜粋
5番目のセフィラ ゲブラー
数字で見た「5」は自由、進歩、冒険、行動をあらわします。
そして調和と正義の象徴でもあります。
その「5」を図形に直し、五角形にしたのが「星マーク」の起源です。
これはピタゴラス学派の人たちが自分たちの教団のマークにしようと考えたもの。
その神秘性は現在でも欧米には根強く残っており、アメリカ国防省の建物が一般に「ペンタゴン」と呼ばれていることでも分かります。
ゲブラーの「攻撃は最大の防御である」を実践するような力強さは安心感につながります。「慣れ合いなどはいらない」と孤高にたたずむ姿。その類まれな強さは深い優しさから成り立っているのです。
三本の柱の中のゲブラーの意味とは?
左側の峻厳の柱、右側の慈悲の柱、中央の均衡の柱。
ゲブラーは左側の峻厳(しゅんげん)の柱の中央に鎮座しています。
峻厳の柱が意味するのは「女性性・受動的な力」です。
ゲブラーに割り当てられている「峻厳」。
ゲブラーが峻厳の柱の中心に位置するのは必然と言えるでしょう。
物事を円滑に進むためには厳しさは必要。
破壊と再生。
時には断ち切るための刃も必要になります。
大切なものや人を守るために戦うことが必要にもなります。
【この世の中はバランスが大事】
「優しい世界」「愛情あふれる世界」を望むために、厳しさ、破壊、恐怖、が抑止力となり秩序が保たれる事もあります。
ゲブラーから見た峻厳の柱とは、厳しさの中や根底にある優しさや包容力。
それはいざとなったら断ち切る潔さ。そして前に進む勇気。に変わります。
その存在が示す厳しさが、豊かさや優しさへ繋がっていきます。
ゲブラーの峻厳、厳しさや力とは?
ゲブラーが意味する【峻厳や力】は自分だけはという利己的なものではありません。
それは他者を踏み台にすることでも、自分の欲望の為に恐怖を与えることでもありません。
暴力と厳しさは全くもって違うもの。
- 愛を持って守るために。
- 皆が平和でいられるように。
- 皆とより良い世界を築けるように。
人は強くて弱い。
時に道を踏み外してしまいそうになることもあります。
そんな時に厳しく教え諭したり、厳しく方向転換させることは必要なこと。
ゲブラーの愛や優しさは戦うことなのではないでしょうか。
それは守るためかもしれない。その背中を見せるためかもしれない。
力強い背中を見せ後押しする。そんな温かな力はなくてはならないもの。
未開の地へ進む厳しさ。前に進む勇気。それを愛ある厳しさで守ってくれているように感じます。
そこに【愛】はあるのか?
心が常に寄り添い続ける優しさ。見守る愛情。
親子の愛。家族の愛。友との愛。愛する人との愛。そして、自分への愛。
愛は力に変化します。
厳しく律することでの優しさは誤解をされるかもしれない。
峻厳な裁きでの優しさは冷たく感じさせるかもしれない。
それでも自分の信じる愛を貫く強さ。
そんな不器用で優しい美しさがイメージされます。
それぞれの「愛」をゆるぎない力へ。
★当記事及び、当サイトの参考文献一覧です
いつも笑顔でいられますように
笑顔の樹☆Tomoko