生命の樹(セフィロトの樹)の3つの柱、3つの三角形、深淵(アビス)、4つの世界
生命の樹(セフィロトの樹)のセフィラは、様々な見方をする事ができるよ。
「3つの柱、3つの三角形、深淵(アビス)、4つの世界」など、多方面かつ立体的 に俯瞰して見る事により沢山の学びがあるよ。
3つの柱とタロットの女教皇との相似も興味深いんだ。
生命の樹(セフィロトの樹)の3つの柱とタロットの女教皇
セフィロトの樹を左・中央・右の3ブロックに分類したものを「柱」と呼びます。
3本の柱
左の柱は「峻厳(しゅんげん)の柱」と呼ばれます。
「女性性・受動的な力」を表します。
3.ビナー、5.ゲブラー、8.ホド、で構成されています。
「ボアズ」「黒の柱」「形成の柱」とも呼ばれます。
右の柱は「慈悲の柱」と呼ばれます。
「男性性・能動的な力」を表します。
2.コクマー、4.ケセド、7.ネツァク、で構成されています。
「ヤキン」「白の柱」「力の柱」とも呼ばれます。
中央の柱は「均衡の柱」と呼ばれます。
1.ケテル、6.ティファレト、9.イェソド、10.マルクト、で構成されています。
「黄金の柱」「意識の柱」とも呼ばれます。
3本の柱の意味
「峻厳」という非常に厳しい事を意味する男性的な名前の柱が「女性性・受動的な力」を表し、「慈悲」という女性的な名前の柱が「男性性・能動的な力」を表しています。
逆のように思えますが「女性には厳しさ」「男性には慈悲」を持たせ補いバランスを保つよう、敢えて名付けられているようです。
男性性の中に女性性、女性性の中に男性性。
そうある事により、それぞれのバランスが保たれ、結果として全体もバランスが保たれます。世界は常に「バランス」によって保たれている。
というバランス重視の考え方が中央の「均衡の柱」と呼ばれるものになっています。
意識の次元の鍵となる3本の柱
この両側の2本の柱こそユダヤ教の礼拝の中心地であり唯一の神ヤハウェの聖所、ソロモン王が建設したソロモン神殿=エルサレム神殿に立っていた柱だと言われています。
その間に立つ時、自身が「均衡」の「中央の柱」になります。
中央の柱は上に行くに従って上がっていく「意識の次元」を表しています。
そして「意識の拡大」はこの柱に沿って行われ、最終的には「ケテル・神の領域」にまで到達できるとされています。
しかし「アインソフオウル・光」「アインソフ・神」「アイン・無」は人間には理解不能、表現不能な領域である。ゆえに人間として存在している以上は到達不能。ともされています。
この「意識の拡大」と「意識の次元」はセフィロトの樹の4つの世界の考え方に続きます。
3本の柱とタロットの女教皇
1.ケテルから6.ティファレトのライン、ギーメルは女教皇のラインです。
その女教皇を見ると、黒と白の柱の間に座っています。
黒い柱には「B」白い柱には「J」の文字が記されています。
これはソロモン神殿の2本の柱「ボアズ(Boaz)」「ヤキン(Jachin)」を表します。
そして女教皇の後ろの布に描かれているザクロの位置は、生命の樹のセフィラの配置と同じです。
ボアズは厳格、ヤキンは慈悲、そして中央に描かれている女教皇は公平、バランスを表す「Ⅱ」です。まさにこのカード自体が生命の樹の配置になっています。
カードは意識の拡大を表す中央ラインのギーメルに配置され、その後ろにはダアトがあり深淵(アビス)が横断。そして女教皇の後ろにも深淵を表すかのような海(または湖)。
この相似は何を意味するのか神秘的であり興味深いです。
生命の樹(セフィロトの樹)の3つの三角形
至高の三角形
1.ケテル、2.コクマー、3.ビナーで形成されています。
上向きの三角形(ロゴスの三角形とも呼ばれる)
高い意識や宇宙を成り立たせる創造的な力を表します。
神の宿る場であり、目覚めた意識が入ります。
倫理的三角形
4.ケセド、5.ゲブラー、6.ティファレトで形成されています。
下向きの三角形。
発展する生命の支配的な力を表します。
星幽的三角形
7.ネツァク、8.ホド、9.イェソドで形成されています。
下向きの三角形(魔術的三角形とも呼ばれる)
現実世界や地上の物質世界を表し、論理的三角形の一段下にある精密な複製とも言われています。
生命の樹(セフィロトの樹)と深淵(アビス)
深淵(アビス)とは
1.ケテル、2.コクマー、3.ビナーの3つのセフィラと、4.ケセド、5.ゲブラー、6.ティファレト、7.ネツァク、8.ホド、9.イェソド、10.マルクトの7つのセフィラとの間には「深淵(アビス)」が横断しています。
「深淵(アビス)」は二つの次元(顕在と潜在)に存在するものの本性と類型をはっきりと区別します。
「深淵(アビス)」の中には「ダアト」(不可視のセフィラ)がありこれは「生成のセフィラ」や「知識」とも呼ばれ、さらに視覚、把握、意識、として解釈することもできます。
生命の樹(セフィロトの樹)の4つの世界
セフィロート体系から神が創造した4つの世界が導かれました。
互いに重なり合う3つの世界と、その上にセフィロートとして描かれることのない神に対応するもう1つの世界の存在です。
この4つの世界は創造世界体系と呼ばれ14世紀頃の文献に現れ始めました。
各世界の名称は、創世記の創世物語に使われている主要な動詞から採られています。
アツィルト(流出界・元型界・神界)
1.ケテル、2.コクマー、3.ビナーの3つのセフィラを結ぶ上向きの三角形に囲まれる部分
- 神の世界
- 世界の創造の初めの部分
- 神がいる世界、完全な世界
- 属性は、火、神聖、原型
ブリアー(創造界・コルシア・座天使界)
2.コクマー、4.ケセド、6.ティファレト、5.ゲブラー、3.ビナーの5つのセフィラを結ぶ五角形に囲まれる部分
- 純粋創造界
- 大天使の支配下の世界
- 個性、他者の存在、が産まれた領域
- 属性は、風、霊
イェツィラー(形成界・天使界)
4.ケセド、7.ネツァク、9.イエソド、8.ホド、5.ゲブラーの5つのセフィラを結ぶ五角形に囲まれる部分
- 現象界、形成界
- 天使の支配下の世界
- 性別を持つ領域、「エデンの園」はこの領域に存在
- 属性は、水、魂
アッシャー(物質界・活動界)
7.ネツァク、10.マルクト、8.ホドの3つのセフィラを結ぶ三角形に囲まれる部分
現実世界
- 人間の世界
- 魂が肉体と感情を持つ領域、悪魔も同時に存在し人々と共存している領域
- 属性は、地、体
4つの世界の存在の意味
この4つの世界は別々の存在ではなく、同時に重なりあって存在しています。
- アツィルトの下半分が、ブリアーの上半分とつながる。
- ブリアーの下半分は、イエツラーの上半分とつながっている。
- イエツラーの下半分は、アッシャーの上半分とつながっている。
このように半分ずつが重なり合っています。
そのためアッシャー(物質界)の人間が意識を拡大することにより、イェツィラー(形成界)の天使や、ブリアー(創造界)の大天使からのメッセージを受け取ることが可能であるとされています。
アツィルトの世界は4つの世界の中で最も上位にある世界であり他の世界を生み出せます。
アッシャーの世界は物質の世界です。
他の3つの世界より波動が荒く「殻(クリフォート)」と呼ばれる、アッシャーの世界に入り切らないエネルギーが所属する場所を持ちます。
そしてこれは「火・風・水・地」の4つの元素が象徴されているように自然の営みにも関係していきます。
火は風によって燃え、その熱が空気に伝わり水となり、水が大地に降り注ぐ。
大地からは植物が芽吹き、私達を含めた動物の生命に繋がっていきます。
これは独立したものではなく、連なって、重なっているというメッセージなのです。
まとめ:形を変えて世界を創る生命の樹
無から有。光が点になり物質となる。単体が複数になり形を創る。
生命の樹の成り立ちを見ていると宇宙の成り立ち、この世の成り立ちを見ているようにも感じます。
始まりの始まりは実にシンプル。だからこそ様々な形に変化することができます。
現実社会、人間社会にも通じることなのではないでしょうか。
★生命の樹はどうやって造られたのかを説明した記事です
★当記事及び、当サイトの参考文献の一覧です
いつも笑顔でいられますように
笑顔の樹☆Tomoko