生命の樹 第3セフィラ ビナー(Binah)【理解、理知・土星】
カバラの大切なテーマの一つに【バランス】があります。
物事には色々な側面があり「何か一つだけ」「どちらか一方だけ」ではうまくいきません。
感情的思考だけでは気持ちに寄り添うことはできますが、スピーディーに物事を進めることが苦手です。
論理的思考だけでは客観的事実をもとに物事を進めることは得意ですが、気持ちを考慮することは苦手です。
このようにどちらが良くてどちらが悪いと決めつけることは出来ません。
両方とも大事なこと。
それは、
「精神のバランス/肉体のバランス」であったり。
「見えない世界(上の世界)/見える世界(下の世界)」であったり。
そのような言葉で言い表せないことを【生命の樹】という図形で暗示しています。
「人間もまた小宇宙である」
目の前の現実や足下は見なければいけない。
それと同時に未来や夢など不確かな部分を見ることも必要。
見える事だけが全てではありません。
「見えない何か」「まだ上手く言語化されていない何か」はあるはず。
夜空の星々を見て何を想うのか。何を感じるのか。
それは実際に見た人だけが感じること。
正解・不正解はありません。
答えは人の数だけあるのだから。
私達もまた宇宙の一部なのです。
生命の樹左上部にあるセフィラ「ビナー」
生命の樹のビナーには「理解・理知」という言葉が割り当てられています。
物事の筋道を正しく捉える。
感情や本能に左右されることなく、経験や知識をもとに物事を判断する。
とても冷静かつ俯瞰的に物事を捉える様子をあらわしています。
第3セフィラ「ビナー」の天使 ツァフキエル
ビナーには「大天使ツァフキエル」が割り当てられています。
「神の番人」「神の監視者」「神の知識」「神の意思」と意味付けされているツァフキエル。
人間が知識を適切に扱えるか見定め、必要に応じて正しく導くとされています。
また「慈悲深い母」「至高の母」という別名もあります。
理解するには向き合わなければなりません。
己の感情を押し付けるのではなく、相手を尊重する。
進むべき道を選択するのはあくまでも自分自身。
しかし時には他人からの冷静な目は必要。
コントロールではなく導き。
それは相手の人生へ土足で踏み込むこととは違います。
寄り添い、応援する距離感が大事。
信頼しているからこそ見守る優しさが成り立ちます。
尊重しているからこそ意見を言える優しさが成り立ちます。
冷静にそして愛情深く。
そう大天使ツァフキエルが示しているようです。
第3セフィラ「ビナー」と生命の樹カウンセリング
生命の樹カウンセリングを行う時の第3セフィラ「ビナー」は
- 人生のサブテーマ
- チャレンジのサブテーマ
- 人生で学ぶこと
- 探究
- 知識
をあらわします。
[人生とどう向き合っていくのか][何を勉強したら良いのか]などもあります。
第3セフィラ「ビナー」と願望実現の生命の樹ワーク
願望実現の生命の樹ワークを行う時は「ワークのテーマ、ワークのタイトル」を書きます。
テーマやタイトルとして全体像を一言であらわすことは、物事の本質を的確にあらわすことです。そうすることにより、自分自身の中により一層落とし込む効果に繋がります。
★参考文献
生命の樹×占星術 のビナーとは?
ビナーは惑星では「土星」を割り当てられています。
占星術における「土星」とは
[木星]と[土星]の2天体は、いずれも【社会天体】を呼ばれ、個人が持つ資質ではなく、社会的に受ける影響や社会的立場などを示唆します。
[土星]は「厳しい愛情」でもって「試練」や「課題」を投げかけてくる天体です。
我々に【努力】【乗り越える力】【苦境からの成長】を促す天体であり、
また、道を踏み外しそうになったときに、苦言を呈してくれる天体でもあります。
愛があるからこその厳しさ。
人生の後半になって、後から振り返ったときに
その効力をありがたく思えるようになるーそれが[土星]なのです。
どんな人格/物事にも、必ず良い面/悪い面の両極があるように、
どんな天体にも、プラスの作用/マイナスの作用があるのです。
土星とビナー
土星とは、
- 制限
- 責任・責務
- 伝統(クラシック)
- 形式・ルール
- 停止
- 重責
- 試練
- 父親(父の目)
などをあらわします。
木星が「未来の理想」をあらわすなら、土星は「過去の検証や反省」をあらわします。
車で例えるとブレーキのような役割を果たし、個人にとってのコンプレックス、シャドー、苦手意識、をあらわします。
またメンテナンスの天体とも言われ7年ごとにアスペクトをとり、辛い事やいい加減にしていた事などがあればそこに目を向けさせられます。
土星を意識して痛みや苦しみを乗り越えれば、より成長する事ができます。
土星の意識から逃げてしまってばかりいるとコンプレックスとして残ります。
占星術(土星)でも生命の樹(ビナー)でも冷静さや重厚さがイメージされます。
見栄や引っ込みがつかなくなって進むのではなく、一歩一歩着実に歩む姿。
信頼、尊敬、敬意、を持っての行動。
だからこそ苦言などの厳しさがあっても慕われる人望。
なにか事を成し遂げる時には欠かせない存在です。
セフィラは1つで成り立っているわけではありません。
1つだけの意味では片手落ち。10個あるからこそ成り立つもの。
厳しさやルールは必要。
やみくもに突っ走ってばかりではゴールにはたどり着けない。
誰かがブレーキを踏む役目を担わなければ迷子になってしまう。
地味かもしれない。古臭いかもしれない。
しかし真の優しさがあるからこそ冷静にブレーキが踏めるはず。
そこには大きく深い愛情があふれているのだから。
生命の樹×数秘術 のビナーとは?
カバラでは偶数は女性をあらわし奇数は男性をあらわすとされていますので、「3」は男性の数といえます。
セフィロトの樹では知性をあらわし、さらに超自然的なものや発展を示す数でもあります。
「3」は、自分の持っているエネルギーを外に押し出していく性質を持っています。
それゆえ新しいものを創造していく力の象徴でもあります。
浅野八郎著『「カバラ」占いの書』より抜粋
3番目のセフィラ ビナー
数字で見た「3」は力強さ、創造、発展をあらわします。
成長の数字ともいわれています。
- 「3人」は多数決が成立する最小の数です。
- 「3人寄れば文殊の知恵」というように3人集まることで新たなパワーになることもあります。
- 「2次元」は平面ですが「3次元」になると立体になり新しい広がりが生まれます。
「3」は、内部の燃え盛る激しいものがあらわになるイメージを強く持つ数です。
よって、物事を力強く推進し構築していく男性原理の数であると同時に[破壊や混乱]といった負のエネルギーも持ち合わせている数なのです。
ビナーの理解は相手を尊重し素直に認めるもの。
それは受け身ではなく自らが積極的に関わろうとする姿勢でもあります。
そして出しゃばることなく受け入れる。
そんな懐の深さを感じさせます。
三本の柱の中のビナーの意味とは?
左側の峻厳の柱、右側の慈悲の柱、中央の均衡の柱。
ビナーは左側の峻厳の柱の一番上に鎮座しています。
峻厳の柱が意味するのは「女性性・受動的な力」です。
2セフィラ「コクマー」が男性を表すのに対して、3セフィラ「ビナー」は宇宙の女性的潜在力をあらわします。
男性的数字に、女性的潜在力。
とにかく一筋縄ではいかないビナー。
強いのか、柔らかいのか。
活動的なのか、消極的なのか。
変化させるのか、現状維持でいくのか。
白黒二つを併せ持ち、使い分ける器用さ・大胆さを持っている。
清濁併せ吞む。
ということができる肝の強さがあるように思います。
自分の利益だけでは大きな強さは生まれません。
母のような、父のような、大きな愛情が下地にあるからこそ生まれるもの。
理解しようと試みるから愛が生まれる。
そして、愛があるから強くなれる。
ビナーの理解・理知とは?
ビナーの「理解・理知」とは真正面から向き合う愛情なのではないでしょうか。
向き合うには[受け取る力][受け取る覚悟][受け取る勇気]が必要です。
そして何より「受け流す力」が無ければ潰れてしまいます。
一生を通じて「向き合う」ことは多岐にわたります。
人、物事、現象、事実。
場合によっては「過去」もあるかもしれません。
人は信じることができるから向き合えます。
自分を信じることができるから。相手を信じることができるから。
だから向き合い、分かろうと努力する。
本当の意味で、本質的なことが理解できるのかどうかは分かりません。
ただ、
人に対してであれば「理解しようと向き合った」という愛情は伝わります。
事実や過去であれば「理解しようと向きあった」という自信が積み重なります。
甘やかすのではなく、押し付けるのではなく、同じ目線で向き合う愛情。そして導く愛情。
そんな熱い想いを内に秘めたクールな美しさがイメージされます。
★当記事及び、当サイトの参考文献一覧です
いつも笑顔でいられますように
笑顔の樹☆Tomoko