生命の樹パス【ギーメル(Gimel)】はじまりの光が旅に出るとき

ギーメルは、ケテルからティファレトへと向かう旅の道。
それは、まだカタチを持たない「はじまりの光」が、あなたの内なる中心へと届こうとする目には見えない旅路です。
ギーメルとは「ラクダ」を意味する言葉。
乾いた砂漠を越えて、水と命を運ぶキャラバンのように、このパスは高次の叡智をあなたの心の奥深くへと届けてくれます。
風が吹き、声が生まれ、そしてその光が動き出す時、魂は本来の自分と静かに再会するのです。
ギーメルとは?
対応表
パス№ | 13 |
パス名 | ギーメル(Gimel) |
繋ぐセフィラ | ケテル⇔ティファレト |
ヘブライ語 | ℷ(ギーメル)らくだ |
タロット | 2.女教皇 |
神名 | シャダイ・エル・カイ |
占星術 | 月 |
ヘブライ語数値 | 3.神の活動(生命、光、成長、拡大) |
色彩
アツィルト界 | ブルー |
ブリアー界 | シルバー |
イエツィラー界 | ペールブルー |
アッシャー界 | スカイブルーを帯びたシルバー |
ギーメルの意味
ヘブライ語「ギーメル(ג)」は、数値で3を表し、形としては「歩く足」を象徴すると言われています。その名はラクダに由来し、砂漠を越えて命の水や富を運ぶ存在として描かれてきました。このことから、ギーメルには以下のような意味が込められています:
与える者(ギーメル=ギムル:報酬・恵み・施し)
ギーメルは「与える」こと、つまり「恩恵を運ぶ存在」とされています。
それはケテルのような高次の叡智や神聖な意志を、人の魂(ティファレト)へと届けるための「媒介」の役割。ギーメルは、受け取る準備ができた魂へ、天からのギフトを運ぶのです。
旅する者(キャラバン/内なる巡礼者)
砂漠を越えるラクダは、過酷な環境を静かに進む旅人。ギーメルもまた「魂の旅」「精神的な巡礼」を象徴します。ケテルの無限の光が、地上へと降りてくるプロセス。それは、内なる成長や目覚めの旅でもあります。
ギーメルが教えてくれること
ギーメルは「与える事と受け取る事は、同じ線上にある」ということを示しています。
高次の源と繋がり、そこから得たものを、自分自身にも、そして世界にも差し出していく。
それは「自他の調和」や「循環のはじまり」でもあり、魂が「本来の位置=ティファレト」に戻る旅の中核なのです。

つながるセフィラ:ケテルとティファレト

ギーメルのパスが結んでいるのは、生命の樹の最上部にある「ケテル(王冠)」と中心に位置する「ティファレト(美)」です。
このふたつのセフィラの間には「天の光が、私たち自身へと降りてくる」という、非常に神聖で根源的なプロセスが秘められています。
ケテル〈全ての源〉
ケテルは、まだ形にならない全ての可能性を内包するセフィラです。
神聖なる源であり、魂の設計図が最初に描かれる場所ともいえます。そこには、個人的な思いや意思はまだありません。
ただ「在る」という事そのものが、静かに満ちているのです。
ティファレト 〈 魂の中心〉
ティファレトは、人間の魂の中心点となるセフィラです。
心と身体、感情と精神、内と外。あらゆる対極を調和と美によって統合する場所です。ここには「自分らしさの核」ともいえる【真の自己(ハイアーセルフ)】が宿ります。
また、ティファレトは他の多くのセフィラとも繋がり、生命の樹全体のバランスを司る中心軸でもあるのです。
ギーメルは神聖な光の旅路
ギーメルのパスを通して、ケテルの無限の光はゆっくりと、でも確かに私達の魂の中心へと降りてきます。その光は、私たちの意識に「本当の自分」を思い出させ、混乱の中に静けさを、孤独の中に繋がりを、もたらしてくれるのです。
ギーメルは、言うなれば天と地をつなぐ霊的な架け橋。
その道を通ってやってくるものに、耳を澄ませてみてください。それはきっとあなた自身の奥深くと、宇宙の中心がひとつになる瞬間なのです。




ギーメルの象徴とスピリチュアルな意味

光を運ぶ者ギーメル
ギーメル(ג)は、ヘブライ語で「ラクダ」を意味します。
ラクダは、過酷な砂漠を静かに進み、命の水や物資を運ぶ旅の仲間。その姿はまるで、見えないところで大切なものを運び続ける霊的キャラバンのようです。
このパスは、ケテルのような「高次の叡智や神聖な光」を、ティファレト「魂の中心、真実の自己」へと届ける橋渡し。それは人々の内側に眠る光の目覚めと関係しているのではないでしょうか。
与える者ギーメル
ギーメルはまた「与える者/施す者」という意味も持ちます。
物質的な富ではなく、精神的・霊的な豊かさを分かち合う存在。自分の内に蓄えた叡智や気づきを、必要な人に届ける力。それは、意識的に生きる魂が自然に持つ循環の力です。
この文字の形もまた象徴的で、前に一歩踏み出しているように見えるフォルムは、内なる光を携えて、行動に移す勇気を語っているとも言われます。
ギーメルのもうひとつの意味
受け取る準備ができたとき、光は動き出す
ギーメルは「与える者」「恵みを運ぶ者」とされますが、実はその本質は「与える存在がいるという事は、そこに【受け取る器】がある」ということを示しています。
与える事と受け取る事。そのどちらが欠けても、エネルギーは滞ってしまう。
ギーメルは、神聖な光や恩恵が「どこに届けられるべきか」を見極めて進む存在です。それは、魂が「受け取る準備が出来た時」に初めて、高次からの光が動き出すという宇宙のリズムを象徴しているのです。
自らが「与える者」になるには
ギーメルのもうひとつの教えは「与える前に、自分が満たされている事を知る」ということ。
枯れた器からは何も与えられません。しかし、魂の奥には既にケテルからの光が注がれています。
その事に気付いた時、私達は誰かに何かを与えたくなり、それがまた巡り巡って、自分という器をさらに満たしていく。ギーメルは、そんな霊的循環の法則を私達に教えてくれているのです。
個人の生命の樹のギーメル:ケテル⇔ティファレトの道

個人の生命の樹でいうと
- ケテル:自分自身
- ティファレト:本質・才能・健康
ギーメルはこの2つのセフィラを繋いでいます。

セフィラとパス
生命の樹の一つ一つのセフィラに意味はありますが、単体だけで成り立っているわけではありません。それぞれのセフィラが関わり合うことで複雑に展開されていくもの。
セフィラは「道」または「導線」です。この道が滞りなく進める道であれば「天からの光」も、すんなり降りてセフィラも美しく輝きます。
しかし、何か障害物があれば光は遮断され届いていないという事になります。
もし、それぞれのセフィラがうまく輝いていないと感じるのであれば、どこかのパスに滞りがあるのかもしれません。

ケテルとティファレト
1.ケテルから直接続く道は3本あります。
- 2.コクマー
- 3.ビナー
- 6.ティファレト
6.ティファレトから直接続く道は8本あります。
- 1.ケテル
- 2.コクマー
- 3.ビナー
- 4.ケセド
- 5.ケプラー
- 7.ネツァク
- 8.ホド
- 9.イエソド
「1.ケテル」は人生の使命や方向性、価値観などをあらわします。それがうまく表現できない。分からない。迷いがある。という場合、ひとつの可能性として「6.ティファレト」の本質・才能・健康が原因という可能性があります。
「6.ティファレト」は持って生まれた強み、本当の自分などをあらわします。それは、ありのままの資質であり、無自覚に出来る事。それがうまく出来ていないように感じるのであれば、ひとつの可能性として「1.ケテル」の人生の方向性や価値観が原因という可能性があります。
ギーメルを輝かせるセルフワーク
ギーメルのパスが結んでいるのは、生命の樹の最上にあるセフィラ「ケテル」と、その中心にある「ティファレト」です。この2つのセフィラに意識を向けることは、天と自分自身をつなぐ光の通路を開くことにほかなりません。天からの光と、魂の中心をつなぐ【内なる儀式】なのです。
ケテルへのワーク:「名のない光」とつながる瞑想
ケテルは、宇宙の始まり、神の意志、全ての源です。形や言葉を持たない「純粋な存在の気配」です。
このワークでは何かを思い浮かべる必要はありません。ただ、完全に【無】のような静けさの中に、自分をゆだねて溶かすような感覚を育てていきます。答えを得るためではなく、自分という存在の【源】と再会することが目的です。(3〜5分)
- 静かな場所で目を閉じ、背筋をゆるやかに伸ばします。
- 頭の上、30〜50cmほど上に輝く光の源をイメージします。それは名も形も持たない、ただやさしく振動する白い光です。
- その光が、頭頂(クラウン)からあなたの中に降りてくるのを感じて下さい。
- 呼吸と共に、全身にその存在の気配を広げていきましょう。
- 最後に、心の中でそっと問いかけてみてください。「私は、ここにいることをゆるされていますか?」返ってくる答えを待たず、ただ静けさに身をゆだねます。
ティファレトへのワーク:「魂の中心」と再会するジャーナリング
ティファレトは「真の自己」が宿る場所です。それは、私達の中にある調和、美、統合のエネルギーです。
ここにアクセスするには「私は本当は、どんな存在でありたいのか」という魂からの問いを、自分自身に差し向けることが必要です。ギーメルを通してケテルから降りてくる光を、ティファレトで受け取る【扉】をそっと開く行為となります。(10〜15分)
ノートとペンを用意し、以下の問いにゆっくり書き出してみてください。
- 今の私は自分の中心と繋がっていると感じるだろうか?
- 最近「これは私らしい」と思えた瞬間は?
- 本当はどんな状態の時に心が落ち着く?
- 私の美しさはどこにあると思う?
書くときは、上手な答えを探さず、出てきた言葉を信じて、ただ流れるように綴ってみてください。
最後に、こう問いかけてみましょう「この中心に、光を受け取る準備はできていますか?」
光は既にあなたの中を通っている
これらのワークは、特別な力がなくてもできるものです。
静かに、やさしく、でも確かな深さで、あなたの中にある「神聖な通路」を開くことができるのです。
ギーメルは、その道をあなた自身の中に思い出させてくれる存在。
歩くたびに、与えるたびに、そして静かに受け取るたびに、パスは光を放ちはじめます。
ギーメル ― 私たちの日常にどう関わる?

神聖なパスやヘブライ文字は、どこか遠くの霊的な領域に存在しているもののように感じるかもしれません。でも実は、ギーメルのエネルギーは、私達のとても身近なところに息づいています。それはほんの小さな「与えること」や、静かに「受け取ること」の中にあります。
日々の選択の中に、ギーメルの光が潜んでいるのです。
こんな瞬間にギーメルが現れる
- ほんの少しだけ、時間に余裕がある朝
隣で困っている誰かに、ひと声かけたくなったとき。それは、ギーメルがあなたの中で「与える光」を運び始めたサインかもしれません。 - 誰かからのやさしい言葉に、素直に「ありがとう」と言えたとき
それもまた「受け取る器」が開いた証です。 - 「私はこの世界に何を与えられるだろう」とふと考えた時
その問いの奥には、ケテルから届く静かな光の気配があるのです。
ギーメルの意識で生きるということ
ギーメルの本質は「運ぶ者/橋渡しをする者」です。
日常においてその意識で生きるというのは「自分」と「世界」の間に橋をかけるようなことです。
- 自分の内側で感じたことを言葉にして伝える
- 相手の思いを、ただそのまま受け取ってみる
- 自分ができる小さなことで誰かを支える
どれも“たいしたこと”ではないかもしれません。
しかし、そのひとつひとつが「魂のティファレト」と「天のケテル」をつなぐ【ギーメルの通路】になるのです。
小さなギフトを運ぶ人になる
ギーメルは、ギフト(gift)という響きにもつながる文字です。
「自分には何もない」と思う日でも、
- その場に静かにいること
- やわらかいまなざしで見守ること
- 誰かの声に耳を傾けること
それだけで、あなたはすでに「光を運ぶ存在」になっているのです。
日常の中で「今、私はギーメルになれているだろうか?」そう問いかけてみてください。
それは、高次の意識とつながる入口であり、あなたが世界に与えている無名の優しさを見つける為の、小さな祝福の合図になるでしょう。
ギーメルのパスを感じたいあなたへ

―「受け取ること」と「与えること」の間に光は流れる ―
ギーメルのパスは、天から降りるケテルの光を、魂の中心ティファレトへと運ぶ【橋】のような存在です。
このパスを生きるとは「ただ受け取る」ことでも「ひたすら与える」ことでもありません。両者の間を、静かに透明な意志で行き来すること。
それは、外に何かを求めずとも「私の中に流れが起こっている」と感じられる時に自然と開き始めます。
ギーメルのパスとつながるセルフワーク
― 光を受け取り、それを世界へ運ぶために ―
このワークは3つのステップに分かれています。
特別な準備は不要です。静かな時間と、少しの呼吸だけで十分です。
Step1:天の光を「受け取る」
- 背筋を伸ばし、静かに目を閉じます。
- 頭上30〜50cmの空間に、柔らかく輝く白い光の球をイメージします
- それはケテルから降りてくる、名も形もない純粋な存在の気配です
- 息を吸うごとに、その光が頭頂(クラウン)からあなたの中へとしみこんでいくのを感じましょう
💫 意識の言葉:「私は、存在するだけで受け取っている」
Step2:ハートへと「運ぶ」
- その光が、ゆっくりとあなたの胸の中心(ティファレト)まで降りていきます
- 光はそこで温かくなり、優しく広がり始めます
- ハートが、静かに満たされていく感覚に気づいて下さい
- そこに何の努力も、正しさも必要ありません。ただ「在る」ことが受容されているのです。
💫 意識の言葉:「私は、自分の中心で光を抱いている」
Step3:「与える」準備をする
- 最後に、その光が胸から手のひらやまなざし、言葉へと移っていく様子をイメージして下さい
- 今日、あなたが誰かに届ける「小さな優しさ」それがギーメルの働きとなります
💫 意識の言葉:「私は、必要なときに、必要なものを静かに運んでいる」
ワークのあとは…
このワークは、祈りでも瞑想でもありません。「光が巡っている事に気づく時間」です。
誰かにとっての希望を、ほんの少しでも運ぶ存在であること。それがギーメルのパスと繋がるということです。
「私は、この世界の中で、静かに【道】になっている」そんな感覚を味わう一日を過ごしてみて下さい。
ギーメルの象徴するもの
パス13 | ケテルとティファレトを結ぶ。天の意志が魂の中心へと流れこむ通路。 |
タロット「女教皇」 | 沈黙の奥にある叡智を守る者。見えない真理を抱き、直感という名の水をこの世界へと湛える存在。 |
キャラバン・贈り物・旅人 | 与える事と受け取る事を結ぶ神聖な運び手。魂の旅路に必要な霊的ギフトを運ぶキャラバン。 |
内なる旅路 | 意志と愛の間を繋ぐ、目に見えない道筋。思考から感覚へ、知識から理解へ。 |
呼吸・恩寵・流れ | 宇宙からもたらされる見返りのない贈与。何かをしようとする前に、既に与えられている事への気づき。それを受け取り、やがて誰かに手渡していく循環。 |
声もかたちもない贈りもの
もしも、あなたの内側で何かがそっと動き出すのを感じたなら、それはまだ言葉にならない「兆し」のようなものかもしれません。しかしその微細な気配こそが、ギーメルのパスが静かに開かれはじめた証です。
ギーメルは、強く主張することなく、必要なときに、必要なものを、必要な場所へと運びます。あなたという存在を通して、天からの贈りものがこの世界へと流れ出す道を、そっと照らしながら。
焦らなくて大丈夫。まだはっきりと意味が見えなくてもかまいません。
ただ今ここで、自分の内側に流れ始めている「何か」を感じてみてください。それが、あなたと宇宙をつなぐ最初の橋になるかもしれません。
最後に:ギーメル ― 光が流れ、世界へ向かうとき

ギーメルのパスは、けっして大きな音を立てて開かれるものではありません。
それはむしろ、日々の中でふと立ち止まりたくなる瞬間や、誰かのひと言に静かに胸が揺れた時、あるいは、自分自身の優しさに驚いた時、そんな「繊細な気付き」の中で、そっと流れ出すものです。
ギーメルが教えてくれるのは、私達の存在そのものが既に「光を運ぶ通路」となっているということ。「もっと役に立たなければ」と思う時も、「何も出来ていない」と感じる時も、ギーメルは言います。
“ただ、そこにいてくれるだけでいい”
“あなたという道を通って、必要なものは運ばれてゆく”――と。
だから、誰かの笑顔に気付いたら、自分に一杯の飲み物を用意したら、ほんの少し深呼吸をしてみてください。それだけで、あなたの中にある光が、世界と優しく結ばれていきます。
風のカタチは【光】となって、あなたを通して世界に注がれている。

【参考文献】


いつも笑顔でいられますように
笑顔の樹☆Tomoko