生命の樹 第9セフィラ イエソド(Yesod )【基礎、無意識・月】
生命の樹(セフィロトの樹)はこの世の「存在」を支配する原理を全て含んでおり、10個のセフィラと1個の非セフィラが22の道によって結ばれている図形です。
それは成長の過程や進化の過程を表しています。
道に迷ったら地図を見るように、人生の迷子になった時には羅針盤としても使うことができます。
「人間もまた小宇宙である」
人間は精妙な受信機に過ぎない。とも言われています。
壮大なる宇宙オーケストラのハーモニーにより踊らされているようにも感じます。
道化師のようにおどけてみたり。
プリマドンナのように美しく可憐に舞ってみたり。
惑星の動きに合わせて私たち人間もステップを踏んでいるのかもしれません。
上に在るものは下にある
内に在るものは外にある
これはカバラの奥義の一つです。
この「上に在るものは下に在る」の【上を宇宙】【下を人間】と考えてみると面白いのではないでしょうか。
生命の樹の中枢ティファレトの下にあるセフィラ「イエソド」
生命の樹の中枢である[6.ティファレト]は、ほぼ全てのセフィラと直接繋がっています。
唯一繋がっていない10番目のセフィラ[10.マルクト]に至るには3つのルートがあります。
[7.ネツァク][8.ホド][9.イエソド]どれかのセフィラを介さなければなりません。
真っ直ぐなストレートなルートは[9.イエソド]を介するルート。
太陽のような強い力は衝撃があり過ぎるので、月がその力を緩和しコントロールして王国に伝えているようにも見えます。
イエソドには、基礎、本質、根幹、土台、無意識の意味が持たされています。
特筆すべきは、2種類の象徴があるということです。
- 強力に確立された宇宙としての基礎ともいえる「イエソド」
- 非常に流動的で変動の状態にある血液やアストロ体に象徴される「イエソド」
矛盾しているようにも思える象徴ですが、惑星の「月」を割り当てる事で見事に言い表していることに納得しかありません。
新月から満月へと様々に形を変えていく様は、正に力強さや儚さを表現しているのではないでしょうか。
第9セフィラ「イエソド」の天使 大天使聖ガブリエル
イエソドには「大天使聖ガブリエル」天使の位階は智天使「ケルビム」が割り当てられています。
マリアのもとに訪れてイエス・キリストの誕生を告げた「受胎告知」の絵は目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
神のメッセンジャー。神の言葉を伝える。とも言われるガブリエル。この伝える役割こそが「イエソド」の真の役割とも言えるのでしょう。
第9セフィライエソドと生命の樹カウンセリング
生命の樹カウンセリングの第9セフィラ「イエソド」は
- 潜在的な力
- 未知の世界
- 外国
- 精神世界
をあらわします。
普段は見えない力、いざという時に発揮する力として、[限界突破を求めている時][危機的状況の時][重大な決断の時]など大きな変化の前などに出てくる力です。
第9セフィラ「イエソド」と願望実現の生命の樹ワーク
願望実現の生命の樹ワークを行う時は「お金や時間の使い方」を書きます。
現実的な願いを実現させるためには「お金」や「時間」が必要になります。
無意識に流してしまわないよう、きちんと向き合うことが大切です。
- 潜在的な力とお金
- スピリチュアルと現実
一見矛盾していそうに感じますが「お金=エネルギー」と考えれば解消します。
お金の価値はお金そのものの価値ではなく、流通させるための代替品としてのエネルギーが価値です。
一万円札の原価は、紙代、インク代、加工代、を含めても数十円と言われています。
これはお金に信用という付加価値のエネルギーが加わることにより価値を見出しているのでしょう。
イエソド特有の一見矛盾してそうな象徴によく当てはまっている事例です。
★参考文献
生命の樹×占星術 のイエソドとは?
イエソドは惑星では「月」を割り当てられています。
占星術における「月」とは
- [太陽]が【表の自分】なら月は【裏の自分】
- [太陽]が【顕在意識】なら月は【潜在意識】
- [太陽]が【正装】なら月は【普段着】
ひとことで簡単に説明するなら
◎太陽=理想の自分(こうでありたい自分)
◎月 =本来の自分(こうでしかない自分)
月とイエソド
月とは、
- 生活感情
- 喜怒哀楽
- 夜
- 私
- 母親
- 無意識の性格
など、個人のコアな部分をあらわします。
太陽は社会的欲求をあらわしますが、月は生理的欲求や好みをあらわします。
個人の根底をあらわす部分であり、無自覚な自分自身や好きか嫌いかなど、リラックスしている時の本能に近い欲求をあらわします。
また、弱気になった時にあらわれる性格でもあります。
占星術(月)でも、生命の樹カウンセリング(イエソド)でも
- 自分の内なる力
- 本当の自分
- 潜在意識
それらを携え「いつでもここにいるよ」と母のように寄り添ってくれているようです。
セフィラは1つで成り立っているわけではありません。
1つだけの意味では片手落ち。10個あるからこそ成り立つもの。
特に占星術では「太陽と月」はセットで捉えられることが多いです。
ならば生命の樹で、それぞれを割り当てられている「ティファレトとイエソド」も何か意味があるように感じます。
ティファレト(太陽)で
何を目指し、どこに向かい、在りたい自分を追求するために、
イエソド(月)で
自分の内なる力を信じ、本当の自分を認め、潜在意識を解放する。
そんな流れに繋がっているのではないでしょうか。
長く続いていること(モノ)、伝統的なこと(モノ)には理由があります。
一瞬の快楽は続きません。
沢山の時代を経て、現代まで続いている生命の樹。そして占星術。
それらを色々な側面から見て考えるのは、壮大なドラマを見ているような感覚にもなります。
生命の樹×数秘術 のイエソドとは?
「9」は完成を表す数ですが、同時に「9」は折り返し点をあらわします。
セフィロトの樹では「9」を「イエソド」と呼び、基礎や物事の根源などをあらわしています。
「9」は一つの完成を意味しますが、同時に始まりを予感させる意味も持っています。
ところでセフィロトの樹では「10」を「マルクト」といい、これは王国を意味しています。
「9」はこの王国に至る準備段階を意味する重要な数であり、人類最初の契約の書でもある、モーゼの律法の象徴ともいわれています。
浅野八郎著『「カバラ」占いの書』 より抜粋
9番目のセフィラ イエソド
数字で見た「9」は理想を求める。人を導く数字。と言われています。
また「9」はひとつの完成を意味しますが、同時に始まりを予感させる意味も持っています。
知識や知恵をどのように分け与えるのかという目的意識があり、サポートという意味合いもあります。
太陽と共に在る月のように。
「調和やバランスのティファレト」を「知識や知恵を駆使してサポートするイエソド」そう考えるとなんだかしっくりきます。
1人では困難な事も、2人で補い合って進んで行く。
そのように示してくれているようです。
三本の柱の中のイエソドの意味とは?
左側の峻厳の柱、右側の慈悲の柱、中央の均衡の柱。
イエソドは中央の均衡の柱に鎮座しています。
ポイントは、
ティファレト(太陽)とマルクト(地球)の間に鎮座している。ということ。
イエソドは他の全てのセフィロート流出の受容器と考えられています。
そして物質界であるマルクトへの直接かつ唯一の送信機とも。
イエソドを介すことによって浄化、検閲され流出されていく。
それは単なる光が、粒子が、なんらかの意味を持たされて流れていくと考えられます。
太陽の光を受けた月が新月から満月へと形を変えて姿を見せることに、何らかの意味や象意があると考えられるのと同じく、イエソドが均衡の柱の物質世界のすぐ前にあるのにも意味があるはず。
バランスを意味する均衡。
柱での役割はやはり惑星と地上を結びバランスをとることと結びつきます。
基礎、本質、根幹、土台、無意識、を意味するイエソドは、偏らずに地に足をつけてバランスをとる。という事を示しているように思います。
均衡とは、
ゆるぎない基礎と本質を見失わない心の上に成り立つもの。
それを無意識に感じ行えること。なのでしょう。
イエソドの基礎とは?
イエソドは無意識の領域、潜在意識のことも指します。
となれば、自然に備わっているもの。とも解釈できます。
もともと備わっている本質に経験を加えて確かな土台にする。
もともと在るものを強化する。
一つのことにこだわり過ぎず臨機応援に対応するために必要な土台。
裏付けされた確かな土台がイエソドの基礎なのではないでしょうか。
ただそこにいるだけで安心感と安らぎがある美しさ。
そんな強さと儚さを同時に持った美しさがイメージされます。
★当記事及び、当サイトの参考文献の一覧です
いつも笑顔でいられますように
笑顔の樹☆Tomoko