【書籍】実践・魔法カバラー入門
「実践・魔法カバラー入門」は生命の樹について書かれた本というより、カバラーとはどういうものなのか?について書かれた本です。
カバラーの神髄ともいえる生命の樹を知る上で勉強になる一冊です。
カバラーに関する本は見慣れない言葉や難しい言葉が多く、ある程度の知識が無いと読み難いのものが多いです。しかしこの書籍は初心者でも分かりやすく、取り組みやすい部類になると思います。
なぜなら「著者が教えてもらう」という対話式で物語が進められているからです。
体験談という、ひとつの読み物になっているので取っ付きやすいです。
難しい用語や聞きなれない言葉があったとしても、生徒が先生に教えてもらう形なので極力分かりやすい言葉で説明してくれます。
そして「魔法」というと何やらおどろおどろしいというか、怪しい雰囲気がありますが、学問のために学んでいるので意外とあっさりしています。
歴史に基づいた考察や、論理的な解説なので、夢見がちな話しではありません。
生命の樹についても第4章でしっかりと説明してくれています。
「実践・魔法カバラー入門」は、生命の樹やカバラー初心者向け・入門者向けの良書だと思います。
今回はその中で注目した3項目を紹介します。
願望の生命の樹
生命の樹を使って考えている事を実現するカバラー的方法が書かれています。
ここでは小さな魔法と言っています。
魔法と記されていますが書かれている事はとても真っ当な事です。
思う → 実行する → 実現する
当たり前の事ですが、なかなか出来ない事でもあります。
この「実行する」「行動する」が分かっていても出来ない事。
もうひとつ付け加えるとしたら「続ける」もですね。
やり方を簡単に書くと、
- まずは小さな願い事(2週間くらいで出来そうなこと)から始める。
- 細かな計画を現実的に考えて練る
- 生命の樹の図形にその計画を書き込む
- そして言葉にする
- 書き込んだ図形を儀式として毎日見ながら言葉にする
魔法と言ってますが、全くもって現実的で有効な方法です。
視覚や聴覚を使って、脳にインプット及び錯覚をおこさせることが出来ます。
毎日、意識する事で願い事についてのアンテナもたちます。
自然とそのための行動もできるようになるはずです。
理にかなったアプローチ方法だな。と感心しました。
そして何度も続けたら「PDCAサイクル」になるなとも思いました。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)
「普通に紙に書けば良いのでは?」と思う人もいるはず。
もちろんそれで続けられるなら良いと思います。
しかし、分かっていてもなかなか出来ないからこそ一工夫が必要。
そこで生命の樹という普段は目にしない図形に書き込むという、秘密めいたことやってみる。
普段やらない非日常な事をするからこそ意識に強く残ります。
「魔法」なんて言われたらちょっと楽しそうだし叶いそうな気分にもなります。
「願いは叶う」と自分に思わせる事ができたら自信にも繋がります。
毎日続けることで、いつも願い事が意識されることになります。
意識していれば行動にもあらわれます。
そして「出来る」と思えるようにもなります。
紙に願望を書いたから実現するのではなく、
- 「行動」するから実現する
- 「習慣」にするから実現する
魔法はそのための切り替えスイッチみたいなものなのではないでしょうか。
タロットとカバラーと生命の樹と
第9章はカバラ修行をする過程で誰もが陥る落とし穴についての話しです。
その落とし穴の説明を、生命の樹やタロットカードの「Ⅻ.吊るし(吊るされた男)」を使ってイメージしやすく説明しています。
がっつりとカードを読み解くのではありませんが、ポイントを押さえたカバラーを学ぶ為の読み解きは面白いなと感じました。
私が学んだのがライダー版(ウェイト版)であり、例で出されているのがマルセイユ版なのでその差もあるかもしれません。
余談ですが、
同じⅫ吊るし(吊るされた男)であってもカードの種類によって絵柄や色使いは違います。
私は絵柄が違えば意味のニュアンスも多少違ってくるところもあると考えています。
だからこそタロットカードは暗記すればいいというものではありません。
もちろん基本的な意味は同じです。
ただ、そのカードに記されている「色、象意、向き」など様々な要素が何を伝えたいのかも同時に読み取る必要があると考えています。
誰でもが陥る落とし穴は今のスピリチュアルでも同じ事が言える内容になっています。
内容としては、
一度も遅刻をしたことが無かった著者が、図書館で読書に熱中するあまりに約束の時間に1時間遅れてしまった時のことです。
内面が充実すればするほど、外面的現実に対して切実な関心を抱くことが少なくなる。その分だけ、私は現実から遊離しはじめていたことに、まったく気づかなかったのである。(P244より抜粋)
今まで一度も遅刻をした事がないのに、時間にだらしなくなっているのは、少し思いあがって現実世界を無視し始めた証拠だと思うの。(P246より抜粋)
現実を軽んじている訳ではないが、何となく夢心地の中にいる。
自分がすごい事を学んでいるという驕り。
皆が知らない事を知っているという勘違い。
これは現代のスピリチュアルについても言える事なのではないでしょうか。
もちろん全ての人がそうであるとは思いません。
しかし、かなりの確立で現実逃避している人がいるのも事実。
目に見えない事を学ぶからこそ、目に見えるタロットカードという「物」で現実に繋ぎ止めていると考えても面白いかもしれません。
いつまでも吊るしで楽しんでいてはいけません。早くその状態を脱却し、自分の足で大地を踏みしめる手品師のところまで戻りなさい。
自己規律を忘れず、目前の仕事をきちんとこなし、まわりの人に話しかけなさい。いわゆる現実感覚を取り戻しなさい。(P258~P259より抜粋)
壮大な事を語るのも結構ですが、まずは現実ありきだということ。
こういった事もきちんと書いてくれるからこそ信頼できます。
宇宙論と占星学と生命の樹と
カバラーを学ぶ時に「宇宙」の概念は外せません。
- 宇宙とは何か?
- 宇宙の中心とは?
- 大宇宙と小宇宙とは?
そして、
地動説と天動説
それは占星学を学ぶ人にとっても避けて通れない道なのではないでしょうか。
現代は地動説によって成り立っています。
しかしカバラーや占星学が確立された時代は天動説が信じられていました。
そしてもうひとつ付け加えるとしたら宇宙原理というのもあります。
現在は天動説は受け入れられておらず、地動説が正しいという事になっているわけだが宇宙原理により宇宙の中心は決める事ができないので宇宙の中心は太陽であるというのは受け入れられていない。
これらは1つの章で説明されてはません。
随所に説明があるので全体を通じて学んでいくしかありません。
どう捉え、どう理解し、どう腑に落とすのか。
自分の頭で考える必要があります。
天上の星からは影響を受けている。
だから大宇宙にある天体は小宇宙である私達人間に影響を与える。
- 天体
- 火地風水
- 十二黄道
占星学で使われる用語もカバラーには多数出てきます。
占星学もタロットと同様にカバラーと重要な関わりがあります。
古代エジプトではあらゆる儀式はアストロロジー(占星学)によって行われてきました。
それだけ生活に空に輝く星々との密接な繋がりがあったということ。
特に「月」はあらゆる生物の生殖と出産に関係していると考えられています。
主観と客観に属さない部分の無意識領域にアストラル界があります。
この無意識領域が天上から星の影響を受けていると思われている場所です。
アストラル界とアストロロジー(占星学)は「星と連動する」という意味を含んでいます。
アストロロジー(占星学)は自分のアストラル界を探検する地図。
カバラーの魔法はアストロ界の力をコントロールする技術。
だからこそアストロロジー(占星学)の学びはカバラーの学びにも必要なのです。
「実践・魔法カバラー入門」は、生命の樹やカバラーに興味がある人、魔法やスピリチュアルに興味がある人だけでなく、占いを学んでいる人、宇宙の神秘に惹かれている人、などにも深い学びを与えてくれると思います。
最後に:購入する時の注意
残念ながらこの書籍はもう新品では売っていないかもしれません。
私もかなり以前から(数年前)からチェックしていたのですが新品が在庫になる事がありませんでした。
それでどうにも待ちきれずに去年(2021年)Amazonで中古品を購入しました。
定価は 2,800円(税抜き)
購入価格は中古品で 4,400円(税込み、送料込み)でした。
とても綺麗で新品同様なものでした。
最初は少々お高めかなと思いましたが「消費税+送料+手数料」を考えれば妥当な値段設定かなと満足しています。
内容的にも私は購入して良かったと思っています。
ただ、中古品はかなり高い値段を提示しているところもあるので注意して下さい。
(1万円、5万円、10万円、とか)
アマゾンのレビューも高評価ですし、オススメな書籍なので新品の在庫が無いのが残念です。
街の古本屋さんなどでお安く見つけたらラッキーかもしれないです。
その時は是非とも手に取ってみて下さい。
★当サイトの参考文献一覧もご覧下さい
いつも笑顔でいられますように
笑顔の樹☆Tomoko